マイクロスコープ業界 Webサイト診断

Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。

診断日:2019年10月


目次

株式会社松電舎

診断URL:https://www.shodensha-inc.co.jp/ja/

●診断内容

この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
“視るをサポート”というコンセプトで期待が膨らみました。「技術ブログ」は内容がわかりやすく、定期的に更新もしていて見習う点が多かったです。【ダウンロード】もシンプルで使いやすいと感じました。リニューアルしたことで全体的に良くなっています。
しかし、問題がないわけではありません。製品ラインナップのまとめ方に課題があります。製品カテゴリーが20個と多すぎて視認性が悪くなっています。例えば、製品情報を「マイクロスコープ」「顕微鏡」「内視鏡」「カメラ」「検査・照明」「UV-LED照射装置」「セミカスタム」と大きめのカテゴリーに一度まとめた上で、さらに「マイクロスコープ」ならばその中に4つのタイプ(「USB」「ハイビジョン」「モニタ直結」「アクセサリー/ソフトウェア」)がある、と整理したほうがすっきりして目的の製品を探しやすくなります。顕微鏡やカメラなども同様です。20個ものカテゴリーがあるために【製品一覧】ページでも自分に合った製品が選べません。最後にもう1つ、ベトナムホームページのデフォルト言語が日本語になっているのも感心できません。


株式会社サードウェーブ(旧・ハイパーツールズ株式会社)

診断URL:https://www.vitiny-microscope.net/

●診断内容

この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
以前は販売終了品の扱いが大きいままだったり休業のお知らせが多く、熱心にホームページ運営しているようには見えませんでしたが、少しずつ更新されるようになっています。もともとホームページ自体はシンプルで悪くありません。ですが、やはり最新状態をキープしなければWebサイトは機能しません。
今後としては【撮影スタイル比較】や【導入事例】に残っている販売終了品に関するものを現在販売中のものに差し替えるなど、コンテンツを最新状態にすること、「必要な情報を必要な場所に置いておく」という運営の基本を守ることをお勧めします。
それからメニューが多すぎるので分類してすっきりとさせることも必要です。Webサイトは公開後の運営が最も工数がかかるもの。無理のない運営体制の確立が先決だと思います。


株式会社セルミック

診断URL:http://www.selmic.co.jp/

●診断内容

この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
トップページのメインビジュアルで ”『ブルーオーシャン(競合相手のいない領域)』の製品開発を行い、それまでになかった製品を提供する” という方針がシンプルに表現されています。素晴らしい考えですが、トップページのメインビジュアルに持ってくるのはお勧めできません。【会社概要】の中で見てもらったほうが効果的な内容です。その理由は、会社の方針を見たくてWebサイトに来る人はほぼいないから。これでは社是をトップページでアピールするようなもの。素晴らしい方針は製品やサービスを通して伝えるものではないでしょうか。製品・サービスに興味を持っていただき、使用することで気に入っていただき、どんな会社だろうと思ってもらった時にポリシーを確認してもらえば良いのです。ポリシーが具現化した製品を見てもらうことが先決です。Webサイトはユーザーが主導権を握るもの。まずは相手のニーズに寄り添う情報から見てもらうほうがメッセージは伝わります。日々の活動を等身大で伝えれば、おのずとポリシーは伝わるのではないでしょうか。


マイクロ・スクェア株式会社

診断URL:https://www.microsq.com/

●診断内容

この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
シンプルなデザインは良いのですが、自社の強みが伝わってきませんでした。TOPページのメインビジュアルが何の写真かわかりにくい。それから、 “UV LED をオーダーメイドで” というキャッチコピーは少し弱いように思います。「この会社なら良いかも」と興味を持ってもらえるようなウリを徹底的に考えることをお勧めします。
Webサイトを見たユーザーは一瞬でそのホームページを見るかどうか判断します。選ばれるホームページにするには「何の会社」で「どんな特徴」があるのかパッと見てわかる必要があります。そのためには「誰」に「何」を伝えるのか?を考え抜くことが大切です。リニューアル前のほうが何の会社かわかりやすく個人的には好きでした。


精密ウェーブ株式会社

診断URL:http://www.seimitu.jp/

●診断内容

この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
本当にわかりやすいホームページでした。必要な情報が過不足なく用意されストレスがほとんどありません。【導入事例】【製品情報】【撮影画像】【お問い合せ】4つのシンプルなメニュー。それぞれのメニューもちょうど良い量の情報に管理されています。そして興味を惹かれる「失敗しないデジタルマイクロスコープ選び 5つのポイント」もついつい引き込まれて読んでしまいました。導入事例も「顕微鏡をデジタルマイクロスコープ化する」「高さ(長尺)のある試料を観察するには?」「社内でファイル名のつけ方がバラバラ。簡単に統一化したい。」「チャンバー内の試料を経過観察したい(チャンバー内観察装置)」と参考になる情報が用意できています。これらの導入事例を追加・更新していくことをお勧めします。サクッと読めてシンプルだけど決して情報は薄くない良いホームページだと思います。


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Webサイト診断

※本資料では、執筆者宮本が特に気になった5社のWebサイトを対象に診断を行っています。
※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。

執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるホームページ、失敗するホームページには共通点があるものです。
対象企業すべてのホームページを比較したうえで、各ホームページ問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/

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