防爆機器メーカー業界 Webサイト診断

Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。

診断日:2019年9月


    目次

    島田電機株式会社

    診断URL:http://www.shimada-elec.co.jp/

    ●診断内容

    この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
    防爆機器専門メーカーらしいWebサイトで、まめに更新できています。もう少し工夫すればさらに良いホームページになるのではないでしょうか。他のホームページになく良いコンテンツだなと感じたのは、グローバルナビにある【防爆試験設備】です。爆発試験を始め数多くの試験設備を紹介しており、「専門性の高さとノウハウを持っていそうだな」という期待感と信頼性を高めてくれるコンテンツでした。さらに、【導入実績】と「取得認証」も公開していることでより信頼性が高まっています。これらの情報に加えサポート情報を強化すると、さらに良いWebサイトになると思います。
    その反面、気になるのが製品情報。製品説明というよりも、カタログや図面のダウンロードページという性格のページになっています。理想を言えば「製品情報」と「ダウンロード」にコンテンツを分けることで、より使い勝手の良いホームページになります。
    それから気になったのがSNSへの取り組み。お知らせの中で「LinkedInへのなりすまし登録に対するご注意」を呼びかけ、「SNSを使用して商談や求人等を行なうことはない」と説明しているにも関わらず、ヘッダーにFacebookやTwitterのボタンを設置しているのはちぐはぐです。ユーザーに対し一貫性のない印象を与えるかもしれません。


    伊東電機株式会社

    診断URL:https://www.itodenki-eye.co.jp/

    ●診断内容

    この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
    一目で防爆機器の専門メーカーだとわかり好感の持てるWebサイトです。ユーザーが気にする「安心」「安全」そして「信頼」がキャッチコピーに入っており、100年の歴史があることも良い点です。
    しかし、期待感を持ってさらに詳しく情報を探したのですが、イメージ寄りの情報が中心で具体的な情報が少なく、もったいないと感じました。このホームページの目的は採用とブランディングなのかもしれません。ビジネス検討するには力不足です。特に製品情報は伊東電機販売株式会社へのリンクとなっており、ユーザビリティーを損ねています。イメージだけでなく、具体的な防爆に対するノウハウや技術、そしてそれを具現化する製品・サポート体制の情報をWebサイトを使って発信できれば良いのではないでしょうか。


    株式会社中村電機製作所

    診断URL:http://www.ex-nakamura.co.jp/

    ●診断内容

    この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
    TOPページのデザインがとてももったいない。「製品の防爆化・OEM開発・海外案件で貢献する」というわかりやすく差別化できたビジネスコンセプトがあるのに、それを活かしきれていないからです。会社の根幹であるビジネスコンセプトと、 ”『製品拡販を広島以西にてご検討されているメーカーのみなさまへ』” や ”「乾式変圧器(トランス)製造販売」の(株)中村電機製作所はコチラ” (別会社の案内)が同じ扱いというのも感心できません。「誰に」「何を」伝えたいのか?そこから逆算してデザインされていないように思います。ビジネスコンセプト以外にも良い情報がたくさんあるだけに、早くリニューアルすることをお勧めします。例えば「海外防爆認証製品」や「OEM対応」「防爆製品の開発支援」などをメインコンテンツにすれば、差別化のできた良いWebサイトになるのではないでしょうか。
    ホームページ運営者が「よく読めばわかる」と考えたらNGです。ユーザーがコンテンツを端から端まで読むことを期待してはいけないのです。だからTOPページの第一印象はとても大切。一番伝えたいメッセージは何かを考え抜いてデザインする必要があります。


    株式会社宮木電機製作所

    診断URL:http://miyaki-elec.co.jp/

    ●診断内容

    この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
    防爆機器ユーザーが求めるものは「安全」と「安心」そして「信頼」です。そこを突き詰めたWebサイト作りができると良いと思います。そういった点で良かったのは、【企業情報】の中にある主要納入先情報です。業界別に実績を出すことで信頼感が増しています。営業所の情報もサポートを重視するユーザーにとっては必要な情報です。
    しかし、ホームページ全体としては「安全」と「安心」を突き詰めているとは言いがたく、会社情報と製品情報中心になっています。Webサイトを重視するなら、強化すべきは安全に関するノウハウやサポート体制の情報。さらに万が一のことがあってはならない防爆製品だからこそ、技術情報やサポート情報はもちろん、防爆に関する法令情報、防爆認定証明書や業界団体へのリンク、製造中止品、後継機種情報など、ユーザーが気にするポイントをできる限り公開することをお勧めします。
    改善の余地が多いホームページだと感じました。本来の会社の良さが表現できていないのではないでしょうか。


    クーパー・インダストリーズ・ジャパン株式会社

    診断URL:http://www.cooperindustries.jp/

    ●診断内容

    この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
    きれいにまとまっていますが、生産終了した製品が多いことが気になります。また、生産終了製品の代替え品やサポート情報が少ないこともマイナスの印象を与える原因となっています。外資系メーカーはユーザーに「サポートが弱い」という先入観を持たれがちです。だからこそ国内メーカー以上に、防爆機器を扱う会社としての安心感が損なわれないよう、サポート情報の充実と定期的な更新を強くお勧めします。
    このWebサイトの良い点は、製品情報が他のホームページに比べ充実していること、そして【ダウンロード】と【防爆検定合格証】のコンテンツがあることですが、今のままだと良さよりも欠点が気になります。ちょっとしたことでもユーザーにネガティブな想像をされかねないことを忘れてはいけません。


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    Webサイト診断

    ※本資料では、執筆者宮本が特に気になった5社のWebサイトを対象に診断を行っています。
    ※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。

    執筆者紹介
    宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
    「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるホームページ、失敗するホームページには共通点があるものです。
    対象企業すべてのホームページを比較したうえで、各ホームページ問題点を1点取り上げさせていただきました。」
    《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/

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