【株式会社メディア研究所】商社ならではの課題をサイトリニューアルで解決

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「すべての製品が平等なサイト」から「強みが伝わるサイト」へ

株式会社メディア研究所は、光・磁気ディスク、ソーラーパネル、フィルム業界向けの各種装置を扱う商社です。Webサイト調査資料にお申込みいただいたことをきっかけにお取引が始まり、主力であるフィルム表面欠陥検査装置の特長や強みをまとめたランディングページを弊社で制作、リスティングによる集客を行なっている状況でした。

初めてお打ち合わせした当時、継続している広告宣伝は年1回の展示会出展のみでしたが、新分野も含めた業界開拓の必要性はすでに感じていらっしゃいました。その後、宣伝戦略について検討していく中で現サイトに課題があることも何度も話題に上っており、全面リニューアルが決定しました。

メディア研究所のWebサイトは、商社という特性上メーカーとの関係性を意識して各製品を平等に掲載しており、結果としてメディア研究所の本当の強みが伝わらない、各商品の良さも伝えきれていない状態になってしまっていました。サイト自体は10年ほど前に制作し2ヶ月に1回程度更新を続けていましたが、制作当時の担当者が辞めてしまったことで根幹の部分の改善はストップしていたことも課題でした。

高額商品を扱う企業のWebサイトは信頼が第一

リニューアルのコンセプトは「わかりやすく、シンプルに、企業の信頼性と商品の良さを伝える」こと。主に下記の4点を軸に進めることをご提案しました。

1.企業の信用度・信頼度を向上させる

メディア研究所は多くの高額商品を取り扱っています。その場合、サイト上で「ちゃんとした会社=高額取引しても大丈夫」と思ってもらうことが最重要です。そこで、ユーザーに違和感や不安感を与えないサイトにすることを目指します。

2.自社の強みを伝える

商社という業態上「この商品はここからしか買えない」「この会社は●●だからこの商品はここから買おう」などユーザーのメリットや強い動機がないと購入にはつながりません。自社の強みやユーザーから選ばれている理由をしっかりと伝える必要があります。

3.必要な情報を必要なタイミング・形で提供する

高額商品は検討時間が長く、ユーザーは様々な方法で情報収集と比較検討を繰り返します。そのため、ニーズで探せる導線を確実に用意した上で商品情報や資料を随時提供し、自分のタイミングで確実に問い合わせしてもらえることが大切です。デバイスに関係なく最適な形で閲覧できるようにレスポンシブデザインにも対応します。

4.自社で運用・管理をしやすくする

Webサイトはリニューアルがスタート。「小さく始めて大きく育てる」をテーマに、自社で運用しやすいWordpressで制作します。また、お知らせや既存商品の情報更新、資料の追加など、日常の更新をあらかじめ想定しサイトを設計します。

その他、現在ある情報の整理や新しいコンテンツ、集客など今後リニューアルに向けて検討していく事項も併せて共有しました。公開のタイミングで備えておく機能と、公開後必要に応じて改善していく部分を整理して制作を行ない、予定通りのスケジュールでサイトを公開しました。

中間データから今後の方向性を再確認

リニューアル後3ヶ月時点のGoogleアナリティクスデータを見ると、平均セッション時間などの質的な指標は向上しており、有効コンバージョン(営業が欲しい、引き合いに近いお問い合わせ)も増加していました。一方でアクセス数は微増にとどまり、売上が同規模の生産財企業平均と比べて3分の1以下という絶対的な集客不足が浮き彫りになりました。特に自然検索流入の少なさは大きな課題です。「Webに力を入れたらどうなるか見たい」とのことでリスティング予算の倍増が決定していましたが、それでも自然検索の課題が残ることはもちろん、集客だけを増やしたところでコンバージョンが一気に増えるわけでもありません。

あくまで重要なのはWebサイトです。「企業の信頼性と商品の良さを伝える」というコンセプトを再度共有し、掲載情報や提供資料の充実に改めて取り組んでいくことを目指しました。

有効なお問い合わせは5倍に増加!一方、集客には課題が残る結果に

サイトリニューアルから1年、全体の集客はリスティング予算を増やしたことで増加しましたが、自然検索からの流入だけを見ると、コンテンツの追加があまり出来なかった影響もあり増やすことができませんでした。一方で細かな更新や改善を進めたことで、3ヶ月時点に引き続き質的な指標は向上が見られました。また、リニューアルのコンセプトである「強みを伝える」をテーマに新たに制作したコンテンツもよく閲覧されていることが確認できました。その結果か、売り込み等を除いた有効コンバージョンも、リニューアル前後で5倍以上にまで増加しています。

今後の課題はやはり絶対的な集客不足です。現在はリスティング頼みになってしまっているので、各ページの情報充実や関連ページを増やすなどのSEO対策にも取り組み、自然検索からの流入増を目指します。同時にそれはユーザーへの情報発信強化にもつながり、ページやサイトの見やすさ、使いやすさの改善と合わせて、トータルで有効コンバージョンの獲得増を目指していきたいと考えています。

お客様の声

最初電話で営業があった際に、担当の方が大変業界の事について詳しく、わが社のライバルのサイトについても勉強しておられたので、ホームページのリニューアルには前向きでした。全面リニューアルは時間もコストもかかるので、まずは売れ筋商品のサイトは別建てにして新しく作る事にしました。サイトは技術的な解説が増えて、お客様からも見やすいモノになったと思ったので、それを包含した新しいサイトを全面リニューアルしました。

その後、外部からハッキングを受け、折角増加していたアクセス数も大幅ダウンしましたが、再構築に色々と協力していただき現在に至っています。毎月1度の定例会議も行い、サイトの見直しも行う様になり、展示会情報等も確実にリニューアルしております。

(2023年7月公開)

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