製造業のホームページやWeb広告を支援していると、よくこんなご相談を受けます。
「うちの商品は他社より性能がいいのに、問い合わせが増えない」
「技術力はあるのに、価格の話ばかりされる」
「スペックは全部載せているのに、反応が薄い」
その原因の多くは、“商品を売ろうとしている”ことにあります。
しかし実際には、製造業の問い合わせの本質は違います。
見込み顧客は「商品を買いたい」のではなく、自社の課題を解決したい”のです。
問い合わせの裏側にある本当の動機
例えば、こんなケースです。
- 生産ラインで不良率が上がっている
- 粉体が詰まり、清掃の手間が増えている
- 電気代が高騰し、設備更新を検討している
- 測定精度が足りず、品質保証で指摘を受けた
このとき担当者の頭の中にあるのは、「〇〇社の△△型番を買おう」ではありません。
「この問題をどうにかしたい」
「上司に説明できる解決策が欲しい」
「現場を止めずに改善できないか」
という課題起点の思考です。
商品訴求だけでは、比較対象になる
多くの製造業サイトは、
- 高精度
- 短納期
- 豊富な実績
- オーダーメイド対応
といった“強み”を並べます。もちろん大切です。しかし、これだけでは「どこも同じ」に見えてしまいます。すると、検討軸は自然と 価格・納期・条件に寄っていきます。
商品で勝負すると、比較されます。課題で勝負すると、選ばれます。
問い合わせを増やす視点の転換
では、どう変えるべきなのでしょうか。ポイントはシンプルです。
商品ページを「課題ページ」に変えること。
例えば、
- 「高精度流量計」ではなく「高粘度液体の流量が安定しない現場へ」
- 「大型治具測定サービス」ではなく「断られてきた大型治具の精度不安を解消」
- 「遮熱工事」ではなく「空調を更新しても電気代が下がらない理由」
このように、 “商品名”ではなく“困りごと”を入口にします。
問い合わせ前の心理を理解する
製造業の担当者は慎重です。いきなり「見積依頼」までは動きません。
まずは、
- 自分の課題に合っているか
- 同じような事例があるか
- 技術的に実現可能か
- 社内説明できる材料があるか
これを確認します。つまり、広告やWebの役割は問い合わせを取ることではなく、検討の入口を作ること。
いきなり「今すぐお問い合わせください」ではなく、
- 課題別解説記事
- 用途別事例ページ
- 技術比較コンテンツ
- よくある失敗例
こうしたコンテンツが、問い合わせ前の不安を解消します。
製造業Webサイトのあるべき姿
製造業のWebサイトは、カタログではありません。“課題解決のストーリーブック”です。
問い合わせとは、「商品が欲しい」という意思表示ではなく、「この課題を一緒に考えてほしい」というサインです。
この視点に立てば、
- トップページのメッセージ
- 広告のキーワード設計
- ブログのテーマ
- LPの構成
すべてが変わります。
まとめ
製造業の問い合わせは、商品への興味ではなく、課題への焦りから生まれます。
だからこそ、商品を説明する前に課題を言語化し、スペックを並べる前に、現場の悩みに共感することが重要です。これができた企業から、Webは“24時間働く営業部”になります。
もし今、「問い合わせが増えない」「価格競争になる」「強みが伝わらない」と感じているなら、商品ではなく“課題”を主語にした設計へ。製造業のWebは、売るための場ではなく信頼を積み上げる場なのです。