最近、就職活動におけるキーワードとして「オヤカク(親の確認)」という言葉をよく耳にするようになりました。学生が内定を承諾する前に、親の同意を得ることを指しますが、実はこの段階で「せっかく内定を出した学生が辞退してしまう」という事象が、BtoBの製造業を中心に増えています。
学生本人は貴社の技術や仕事内容に魅力を感じていても、いざ親御さんに相談した際に「その会社、初めて聞いたけど大丈夫なの?」「もっと有名な企業の方が安心じゃない?」とブレーキをかけられてしまうケースです。
「本人」は納得しても、「親」はまだ疑っている
今の学生は、就職先を決めるときに高い確率で親に相談します。 その際、親御さんが真っ先にチェックするのは、やはり貴社のWebサイトです。しかし、そこにある情報が「取引先向けの難しい製品紹介」だけだったら、どう感じるでしょうか。
「どんな会社かよく分からないし、もっと名前の知れた企業にしたら?」
そんな一言で、せっかくの縁が切れてしまうのは、あまりにももったいないことです。知名度で勝負できない中小企業こそ、「親御さんの不安を先回りして解消する情報」をWebサイトに用意しておく必要があります。
採用サイトの中に「ご家族の方へ」という出口を作る
そこで提案したいのが、採用サイトの中に、あるいは特設ページとして「ご家族の皆様へ」というコンテンツを作ることです。
ここでは、製品のスペックを自慢するのではなく、親御さんが一番気にしている「生活の基盤」に関わる情報を、分かりやすい言葉で伝えます。
- 経営の安定性: 「創業〇〇年」「取引先は大手企業〇社」といった、数字で見る安心感。
- 安全への取り組み: 現場の安全対策や、無理な残業をさせないための管理体制。
- 教育のステップ: 「いきなり現場に放り出すのではなく、〇ヶ月かけてこう育てます」という育成プラン。
- 将来のキャリア: その仕事を通じて、どんな技術が身につき、どう成長していけるのか。
これらは、学生本人だけでなく、その子を送り出す親御さんが最も求めている「安心材料」です。
「安心」が届くと、親御さんは最強の味方になる
「ご家族向け」のページがあるだけで、親御さんの反応は劇的に変わります。 「この会社は、働く人の家族のことまでちゃんと考えてくれているんだね」そう感じてもらえれば、親御さんは「反対勢力」から、入社を後押ししてくれる「最強の味方」に変わります。
知名度がないことを嘆く前に、まずは貴社のWebサイトを「親御さんの目線」で見直してみてください。そこに、我が子を安心して託せるだけの「言葉」が置かれているか。そのひと工夫が、最後の一歩で逃していた優秀な人材を、貴社へと繋ぎ止める鍵になるはずです。