「営業が地上戦なら、WEBマーケティングは空中戦ですよね」
この表現は、製造業やBtoB企業の経営者の方と話していると、よく出てきます。感覚的にも、とても分かりやすい比喩です。営業は現場で人と向き合い、一社ずつ関係を築いていく。一方、WEBマーケティングは、直接会う前の段階で、広く・高い視点から存在を知ってもらう役割を持っています。
この意味では、
営業=地上戦、WEBマーケティング=空中戦
という捉え方は、確かに的確です。
ただし重要なのはここからです。どちらか一方だけでは、成果は安定しません。
営業は「地上戦」 一社ずつ、確実に前に進める役
営業活動は、地上戦そのものです。
- 訪問する
- 電話で話す
- 展示会で直接説明する
- 紹介を通じて関係を深める
相手の反応を見ながら、状況に合わせて言葉を選び、提案を調整していく。この地上戦の強みは、【個別最適ができること】です。BtoBビジネスでは、条件も事情も会社ごとに異なります。最終的な判断には、必ず人の納得が必要になります。だからこそ、営業が不要になることはありません。
一方で、地上戦には限界もあります。
- 人数に依存する
- 属人化しやすい
- 営業が忙しくなると新規が止まる
ここに、構造的な課題が生まれます。
WEBマーケティングは「空中戦」 会う前から影響を与える役
WEBマーケティングは、営業とは違う次元で機能します。
- 検索結果で見つけてもらう
- 比較検討の段階で名前を知ってもらう
- 「この会社、しっかりしていそう」と感じてもらう
ポイントは、【営業が接触する前に仕事をしているという点】です。
今のBtoBの購買行動では、
- まず検索する
- 複数社を比較する
- 候補を絞ってから問い合わせる
この流れが当たり前になっています。つまり、WEBで情報が出ていない会社は、検討の土俵に上がる前に外れてしまう可能性が高い。これが、空中戦の役割です。
空中戦だけでは成果が伸びない理由
「WEBを強化すれば、営業は楽になる」
これは事実です。しかし「WEBだけで完結する」わけではありません。
WEBから問い合わせが来ても、
- 初動対応が遅い
- 話を聞く準備ができていない
- 提案が整理されていない
この状態では、せっかくの接点が活かされません。
結果として、「WEBから反応はあったが、受注につながらない」「広告を出したが、効果が分からない」という評価になってしまいます。
これは、WEBマーケティングの問題ではなく、【地上戦とのつながりが設計されていないこと】が原因です。
地上戦だけでは機会が広がらない理由
逆に、営業力に自信がある会社ほど、WEBを後回しにしがちです。
- 今は紹介がある
- 営業が回っている
- 特に困っていない
しかしその状態でも、環境は少しずつ変わっています。
お客様は、
- 営業に会う前に
- ホームページを見て
- 他社と比較しています
その時点で情報が不足していると、営業が接触する機会そのものが減っていきます。これは【営業の質の問題ではなく、空中戦を行っていないことによる機会損失】です。
なぜ「両方やらないと意味がない」のか?
営業とWEBマーケティングはどちらが上でも下でもありません。役割が違うだけです。
WEBマーケティングの役割は、
- 検討初期で存在を知ってもらう
- 比較対象として残る
- 信頼の下地を作る
営業の役割は、
- 個別事情を整理する
- 条件や技術をすり合わせる
- 意思決定を後押しする
WEBは営業を支える仕組みであり、営業はWEBの成果を形にする役割です。
どちらか一方では、流れが途中で止まってしまいます。
広告費が「コスト扱い」になる理由
業績が厳しくなると、広告費が真っ先に見直される。この判断が起きる会社には、共通点があります。
- WEBの役割が社内で共有されていない
- 成果を問い合わせ数だけで見ている
- 営業との連動が設計されていない
つまり空中で得た反応が、地上にうまくつながっていない。
その結果、広告費が「よく分からない支出」になり、コスト扱いされてしまうのです。
WEBマーケティングの本当の価値
WEBマーケティングは、営業の代わりではありません。
営業を、
- 属人化させない
- 再現可能にする
- 安定させる
ための仕組みです。
- 誰が対応しても一定の説明ができる
- 若手でも会話を始められる
- 売上の見通しが立てやすくなる
この状態を作ることが、WEBマーケティングの本当の価値です。
まとめ|空と地は「分業」ではなく「連動」
成果を出している会社は、営業とWEBを別々に考えていません。空中で興味を持ってもらい、地上で丁寧に仕上げる。この流れが自然につながっている会社ほど、集客も営業も安定しています。
WEBマーケティングは空中戦。
営業は地上戦。
だからこそ、両方がそろって初めて意味があるのです。