製造業のホームページ「成果が出ない=リニューアルすべき」という思考の落とし穴

製造業の企業様から頻繁にいただくのが、「ホームページを作ったものの、ほとんど問い合わせが来ない。やはり作り直した方がいいのでしょうか?」というご相談です。

ホームページは「24時間働く営業マン」とも言われます。実際に、そこからお問い合わせや見積もり依頼といった成果が出なければ、焦りを感じるのも無理はありません。

しかし、「成果が出ない=リニューアルが正解」と早急に結論づけるのは、むしろ問題の本質を見誤るリスクがあります。

 本当にリニューアルが必要ですか?

ホームページから成果が出ない理由は、大きく分けて次の3つです。

  1. そもそも見られていない(アクセスが少ない)
  2. 見られているけど、伝わっていない(情報や訴求が弱い)
  3. 伝わっているけど、行動に繋がらない(導線・問い合わせしづらい)

これらの原因が特定できていない段階で、デザインを変更したりページ構成を一新するのは、風邪かインフルエンザかも分からないのに、いきなり手術に踏み切るようなものです。

製造業に多い「強みが伝わっていない」ケース

製造業の場合、実は「技術力」「実績」「対応力」など、他社にはない強みを持っている企業が多くあります。ただし、それを分かりやすく・魅力的に伝えられているホームページはまだまだ少ないのが現状です。

・専門用語ばかりで、お客様が理解しにくい
・施工事例や導入事例がほとんど掲載されていない
・問い合わせまでの導線が遠い or フォームが複雑
・検索しても出てこない

このように、「中身」はしっかりしているのに、「伝え方」や「見せ方」の部分で機会損失しているケースが非常に多いのです。

 まずは“育てる”視点を持つ 

ホームページは、一度作って終わりではなく、「集客の仕組みを育てていく」ための継続的な取り組みが必要です。どれだけデザインや情報が整っていても、そもそもサイトへの訪問者がいなければ成果には結びつきません。すぐに見込み客を呼び込める手段の一つがリスティング広告(検索連動型広告)です。製造業の場合、ニッチな分野・専門性の高い製品が多いため、見込み客は「明確なキーワード」で検索してくる傾向があります。今すぐ情報を探している“顕在層”を効率よく集客できる手段と言えます。

また、広告経由でのアクセス状況を分析すれば、
・どのキーワードが成果につながっているか
・どのページで離脱しているか
といった改善のヒントも得られます。

つまり、リスティング広告は「集客」と「改善」の両面で使えるマーケティングツールなのです。

「成果が出ない=リニューアル」ではなく、まずは少額でも広告を出してデータを収集し、そこから改善を重ねていく。そうした地道なプロセスの中で、本当に効果的なホームページ運用が見えてきます。

リニューアルは“最終手段”として考える

もちろん、デザインが古くて信頼性を損ねていたり、スマートフォンに対応していないなどの技術的な課題がある場合は、リニューアルも有効な選択肢となります。しかし、今ある資産を活かして、まずは小さな改善を試みること。その方が「低コスト・低リスク」で成果に近づける可能性が高いのです。

まとめ

「成果が出ないから、いっそすべて作り直そうか」と感じたときこそ、まずは立ち止まり、その原因を探ってみましょう。リニューアルはあくまで手段のひとつであり、目的ではありません。本当に取り組むべきは、“今あるホームページをどう活かすか”という視点なのです。

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