前回のおさらい
Webサイトの利用者は「どのような手段で訪問したのか?」そして「何をしに来たのか?」を想定してみました。《訪問経路》を想定することにより、訪問者とWebサイトの距離感を捉える目安とし、《訪問時の行動》を想定することにより、Webサイトの「目標」達成に向けての導線管理を計画化できる……というお話しをさせていただきました。
詳しくは前回の記事をご覧ください。
では4限目です。
Webサイトとは“完成しない”もの
わたしたちのお手伝いさせていただいている製造・建築業界には特に多いのですが、Webサイトを紙メディアのカタログやパンフレット、会社案内などと同じように捉えているというコトです。
例えば、「キチンと完成させてからでなければ公開しない」や「できあがったら満足」などがコレに該当します。
これは本当に大きな誤解なのです。
Webサイトは、新しい製品やサービス、展示会・イベント出展の告知など情報を常に発信していく必要があるのです。Webサイトの公開とは《情報発信をする場所》を得たにすぎず、完成したから終わりというモノではないのです。
これが紙のメディアとの大きな違いだと言えるでしょう。
Webサイトを公開すると誰が見てくれる?
もうひとつ誤解されがちな点があります。
Webサイトはインターネットを通じて「世界中」から閲覧可能になります。これは正しい。
だからといって自分たちのサイトにも世界中からたくさんのアクセスがくるのでは?と期待される方がいます。これはマチガイ。残念ながらそんなにうまくコトが運ぶことはありません。
「世界中のどこからでも見ることができる」と「世界中の人々から注目を集める」ことは全然違うのです。
世の中にはたくさんの予算をかけて制作したのに、ほとんどの人の目に触れず消えていくWebサイトも多いのです。
インターネットにおける即時性から、良いWebサイトをつくればすぐに効果が現れると思いがちですが、実はどんなに優良なWebサイトだとしても、期待した効果を発揮するまでには時間がかかる場合がほとんどです。
ユーザーに信頼されるWebサイトを育てるには
簡単に言えば「しっかり運用しましょう」という一言につきます。
タイムリーなお知らせはもとより、Webサイトに訪問するユーザー(新規ユーザー、リピーター)に合わせて情報を提示していくことが重要になります。
例えば、固定ページはあなたの会社を初めて知った人(新規ユーザー)に向けて訴求する内容を中心に作成し、更新ページはリピーターに向けての情報発信をする、といったように役割分担を明確にするのもお奨めです。
訪れてくれたユーザーに確かな情報と活気のある更新を提示すること。
そして、これらを1年、2年と積み上げていくことがユーザーの信頼に繋がり、訪れる方も次第に増えていくのです。
4限目のまとめ
今回はWebサイトを作りっぱなしにしては良くありません、というお話しをいたしました。
モノづくりというのは本当に大変なことです(Webサイトの制作もモノづくりですよね?)。
作ることに情熱を注いで、完成と同時に燃え尽きてしまうことは、実はわたしにも良くあります。
でも、せっかく真剣に誠意をもって作ったWebサイトなのですから、大きく育ててあげたいのが親心です。
Webサイトへの集客に関してはSEOなどを良く見かけますが、今回はもっと初心に戻るつもりで「そもそも」のお話しをいたしました。
少しでも共感して頂ける部分がありましたら、とても嬉しいです。
それでは5限目「より質の高いWebサイトを制作するための心構え」でお会いしましょう。
(デザイン部 山崎)
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製造業Web担当者のためのWebサイト制作ガイド(全30ページ)
本レポートではサイト制作やリニューアル時に考えると『良い』と思われるコトをWebサイトをディレクションする側の目線でまとめました。サイト制作の技術的な話ではなく、考え方の部分にフォーカスした内容です。
サイト制作でお困りの方は、ぜひご一読ください。
※本レポートは「Webディレクターが教える、サイト制作時に考えるべき7つのこと(全7回)」のコラムを再編集したものです。