はじめてWeb担当になった時やサイトリニューアルを任された時、自社に合った適切な予算がどの程度か?不安や疑問を感じる方も多いと思います。
そんな時に、相見積りでコストダウンを実現してもWebサイトでの成果にはつながりません。いくらコストダウンできても効果がなければ予算はすべて無駄になります。だから見積りを取る前に賢いサイト制作費の使い方を理解することが大切です。
予算は感覚で判断しない
あなたは「このWebサイトをリニューアルしたら費用はどれくらいかかる?」と制作会社に見積り依頼した経験はありませんか?もしそうなら、Web予算の判断基準がないからかもしれません。
- 「新製品のページを追加したい」
- 「製品選択ガイドの仕組みを作りたい」
- 「動画コンテンツを充実させたい」
- 「事例も紹介したい」
- 「在庫情報がすぐに分かるようにしたい」
- 「Webカタログを用意したい」
- 「会員ページを用意したい」・・・・
新しいWebサイトで行いたいことをリクエストするばかりでは、見積もりは高くなる一方です。これでは制作会社もクライアントの希望する仕様に沿ってコストを積み上げて見積もりを出すしかありません。そして安くするには相見積りで利益を削って仕事を取りに来る業者を選ぶことになりがちです。それだとコストダウンは実現できても、肝心のクオリティーが下がります。
あなたがWebサイトに効果を求めないならそれでいいでしょう。しかし、効果を求めるのなら自社に合った基準を設け、制作費の高低を感覚で判断しないことが大切です。
Webサイトの目標と獲得コストを設定する
Webサイトに効果を求めるならば、具体的に目標を設定する必要があります。1か月の問い合わせ件数や、デモ機貸出件数、見積もり依頼件数、サンプル加工件数、メールマガジン登録者数、カタログ・CADデータダウンロード数など、自社に合った目標を設定するのです。そして大切なことは目標件数だけでなく、目標の価値を決めることです。
例えば問合せ1件の価値はいくらなのか?過去の商談率や成約率、契約金額、リピートオーダー回数や頻度を統合的に考えて問合せ1件獲得の価値を金額設定するのです。
そして、設定した目標ごとに価値を決めれば、Webサイトの価値を計算することができます。1年間にWebサイトが生み出す価値を元に使える費用を決めれば判断に迷うことはありませんし、費用対効果も明確になり、誰が見ても判断がぶれることはありません。
自社に合った基準を作る必要があるのです。基準を作るには営業の協力が欠かせません。引合いからの成約率を確認する必要があるからです。
費用対効果を決めるデータが自社にない場合は、引合1件獲得するためにいくら費用が掛かっているか確認して暫定的に現状の水準をもとに基準を決めてもいいでしょう。
B2Bでは展示会の場合、名刺獲得コストは1万円前後のケースが多いように思います。Webサイトと展示会の引合を比べ、質が同等であれば展示会での引合い獲得コストと同じ設定にしてもいいでしょう。
ランニングコストを忘れない
Webサイトが生み出すべき価値(≒目標)が決まったら、あとはそれに見合ったコストの中で目標達成を目指せばいいのです。その時忘れてはならないことがあります。
それはリニューアル費用に予算のすべてを使わないことです。
イニシャルコストにすべて使うのはギャンブル的な要素が強くなります。PDCAサイクルを回して改善を続けることで目標達成するのが基本です。だからイニシャルコストにすべてを使わず、ランニングコストを忘れずに更新費用、改善費用、アクセス対策費などを残しておく必要があります。
例えば…
- Aパターン : 予算200万円すべてをリニューアルに費やす。
- Bパターン : 予算80万円でリニューアルし、残り120万円を運営費に回す。
現状ではAパターンの企業が多いのです。それをBパターンに変えるのです。
そうすれば月10万円の運営費が確保できます。リニューアル後の集客やサイト改善が行えます。そして、その反応を見ながら軌道修正ができます。Webサイトは生き物です。完成品を作って終了というのでは無理があります。市場変化に合わせて変化し続けるための運営で成果に差がつくのです。
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製造業Web担当者のためのWebサイト制作ガイド(全30ページ)
本レポートではサイト制作やリニューアル時に考えると『良い』と思われるコトをWebサイトをディレクションする側の目線でまとめました。サイト制作の技術的な話ではなく、考え方の部分にフォーカスした内容です。 サイト制作でお困りの方は、ぜひご一読ください。
※本レポートは「Webディレクターが教える、サイト制作時に考えるべき7つのこと(全7回)」のコラムを再編集したものです。